204465 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

カガワちゃんの毎日。

カガワちゃんの毎日。

18歳の夏。

さい


学生の頃描いた絵をアップしてみた。
な・なんじゃ、これは!?とびっくりされるかもしれない。
犀である。
犀や漠という動物は、おしなべて「絵」になる生き物だと思う。
縦78cm、横110cmの作品で、
墨汁と水彩絵の具で描いている。
たしか、18歳の頃、短大の美術部のグル-プ展に出展する為に描いたのだと思う。
一体、なんでまた、こんな怖い絵を描いたのか。
今は、家のリビングのTVの横に無造作に立てかけてある。
なんで、飾ってやらないかというと
夜見ると、ものすごく怖いのだ。
6歳の息子など、この絵を見て「どこから見てもあいつは僕を見ているんだ。」と本気で怯える。
当時、若かった私は、ダリやマグリッドの絵を好み、太宰や芥川文学を読みふけり、ほんの少しだけ、斜に構えた人生を送っていた。
つもりでいた。
本人は、いっぱしのつもりでいたのであるが、まあ、傍からみれば、きっとコントに見えていたのかもしれない。
虫には虫の充足というものがあるから、それはそれでよかったんだろう。
18歳の私は、充分にお尻の青い若造であった。しかし、まあ、自分のお尻は自分で拭く、くらいのことはわかっていた、と思うな

この絵で、一体、何を言いたかったのか?
何を描きたかったのか?
実は、今でもよくわからない。
わかっているのは、若き日の情熱、そして挫折。
デカダンス、シュ-ルレアリスム、アバンギャルド、アブストクラクト、アンソロジ-・・・・。
知ったかぶりの思想を、日替わりでとっかえひっかえ、ごちゃまぜにし、その混沌と知識の羅列の中で喜んでいたのだ。
(って、何が言いたいのか自分でもよくわからんが。)
この絵を見てしまう度に、言いようのない羞恥と滑稽と自虐的な気持ちがこみ上げて来る。
しかし、ぎらぎらしていた、あの頃の自分が、少しだけうらやましく思えたりもする。
そして、私はすっくと立ち上がり前を向いて歩きだすのだ。


© Rakuten Group, Inc.
X